製薬会社は研究開発力の強化と同時に、開発期間の短縮と開発費用の削減という課題に直面しています。キリンファーマ様は、この相反する課題に対して創薬プロセスの変革を通して果敢に挑みました。解決のポイントは、研究開発領域にとどまらず、業務領域も含めた一元的な創薬プロセス管理を独自技術によって可能にするAlternax®の導入にありました。
「研究開発と業務領域をシームレスにつなぎ、多極間協業におけるリアルタイムの情報共有と、安全確実な知見やデータの管理を可能にする。」これこそがキリンファーマ様が望んだツールでした。当初はファイルサーバのVPNなどの一般的な普及製品をベースに検討が重ねられましたが、運用性も含めた機能や費用の点で問題点が明らかになり、加えて今後の提携先の増加によりプロジェクト数が増えた場合の相互気密性や薬事法改正に伴う海外への製造委託にも対応するという課題がありました。この為、拡張性・柔軟性・可変性の高いツールであることが絶対条件としてありました。
また、同社がツールを導入する大きな目的は2つあり、ひとつはは知財情報や探索データなどの散逸、改ざんを防ぎ、あらゆる可能性のシーズとなる情報を格納し、常にアクセス可能な状態に置くこと。もうひとつは、従来、研究開発領域から切り離されていた投資先などのデューデリジェンスなどの業務領域をはじめ、専用システムでは対象にならないプロセスの情報共有を加速し協業が適確かつスピーディに行えるようになることでした。
「研究開発領域にとどまらず、探索研究を含めた前段階からの効率化を徹底し、創薬プロセス全体を変革していくことにより、相反する研究開発力強化と開発期間・費用圧縮を解決する。」そうしたキリンファーマ様の狙いに応え得るツールとしてAlternax®は導入されました。

研究開発領域と業務領域の両領域を対象とする上で威力を発揮したのが「CRE(Contents Relational Engine)」と呼ばれる独自のミドルウェア技術です。CREはアプリケーションやOSなどの環境に邪魔されない、自由なデータの連携や活用を実現するオープンな開発思想に基づいて設計されています。活用の対象はデータや情報にとどまらず、日々の膨大な知見やメッセージも含めたあらゆる情報が、一連のワークフローとして体系化されるため、作業の効率化が進みコラボレーションが加速します。
また、セキュリティに関しても、コンテンツ単位で暗号化するとともに、通信経路の情報もSSLで暗号化することで二重に安全性を確保するなど高度なレベルで実現し、個人単位の権限管理や未読/既読を管理することで情報漏洩やデータの改ざんを防ぐことで特許権などにかかわる法的リスクへの対応も可能にしています。キリンファーマ様はさらに業界と社内のルールに従って内部統制のための機能を強化しています。

Alternax®は現在、樹状細胞を用いた細胞医薬品の米アルゴス社との共同研究開発をはじめ、EU諸国、アジアなどの拠点・パートナーと10件を越えるプロジェクトで、延べ300名強のユーザに活用されています。
長期のプロジェクトを支える情報システムとして、キリンファーマ様におけるAlternax®の活用はまだ始まったばかりですが、その先には、研究開発力強化と開発期間・費用圧縮という、多くの製薬会社が抱える課題に対する普遍的な解決策があります。
| [Alternax®導入による成果] | |
| ・ | レポートや薬理・薬効評価など各種参考データをリアルタイムで把握し、各拠点の情報を最新の状態でいち早く活用できるようになった。 |
| ・ | 日米欧の三極でバラバラに持っていた特許情報、レポート、文献、資料の共有化により、これまでCD-ROMなどで郵送していた大容量データをリアルタイムで共有しデリバリーの時間やコストが大幅に削減できるようになった。 |
| ・ | 企業・組織を越えて、研究開発プロジェクト別にコミュニティを形成。プロジェクト別コミュニティ内でのコミュニケーションと情報共有が推進できる。 |
| ・ | 情報の未読/既読が判別できるため、コミュニティ内での各スタッフの情報取得を促し、プロジェクトの遅延を防止。またコミュニケーションログが残るため、電話での「言った/言わない」のギャップを削減できた。 |
| ・ | 従来のEメール・FAX・国際宅配便で発生の恐れがあった不達や誤配送などの事故による情報漏洩リスクを防止することができた。 |
| ・ | 海外のパートナースタッフへの負荷がほとんどかからず、最小限の説明で導入できた。 |
| ・ | 24時間365日の運用を実現するシステムをリーズナブルな価格で構築できた。 |



