2008年04月14日: 一石三鳥ビジネス!? ツカサの「ネットルーム」が都内で増加中
久々に「起業家魂を見た」、という感じがするこのニュース。ツカサと言えば、その昔ウィークリーマンションで一世を風靡したあと、(原因は知らないが)会社が傾いてそのウィークリーマンション事業を譲渡して生き延び、懲りずにまた同じような事業を立ち上げた、CMでお馴染み社長の”あの会社”である。
ツカサのネットルーム
昨年来、ネットカフェ難民の件は数々の報道がなされて来た。著名経済評論家が「年収300万円時代の・・・」という本を書いてベストセラーになる時代には、低所得者層がホームレスの一歩手前でネットカフェに辿り着くのは、ある意味で必然なのかもしれない。高度成長期までは、山谷(ウチの近所)辺りに所謂「ドヤ」という簡易宿泊所があり、「明日のジョー」よろしく低所得者層の受け皿になっていたが、現在では日雇いの人々自体が減ってきており、それに伴って簡易宿泊所も減っているようだ。
私も会社立ち上げ時の苦しいときに一人暮らしを始めたクチなので理解しているつもりだが、この国には定職・定収入を持たない独り者にとって、中々住居を得にくい現実がある。借地借家法が制定されて幾分変わるかと思われた我が国の不動産業界は、結局のところ何も変わらなく、この様な社会問題が起こるようになってしまった。もちろん、ネットカフェ難民問題を不動産業界だけの所為にするのは酷だが、業界から何も提案が無かったのも、また事実であろう。
ところが、やはり目ざとい起業家はいるもので、今回の目の付け所には非常に感心してしまった。川又社長のコメントを見てみよう。
これだけを読むと、あたかもボランティア気分で事業を始めたのように思えるが、2帖(3.3㎡)で3万9000円/月ということは、一般的な1R(ワンルーム)の広さである20㎡で計算すると23万円/月となり、共用部分やインフラ投資を考慮しても十二分にペイする価格設定であることが分かる。通常のネットカフェよりも設備や清潔感は遥かに上、それでいて提供価格はずっと安価である。現代のネットカフェ難民は、比較的学歴も高く、以前はそれなりの生活水準にあった者が多いので、これはかなりの潜在的ニーズが有るだろう。
もちろん、与信の問題などはまだ対処法が確立されていないのだろうが、私が一投資家として見た場合でも利回りはかなり良さそうで、今後FC化なども絡めつつ急速に成長するビジネスなのではないかと感じた次第である。
しかも、このビジネスは、
①社会問題を解決して、
②とても儲かるビジネス
なだけではなく、
③居住者に仕事を提供する
というサービス(個人支援プログラム:ツカサの仕事を提供)も付帯している、一石三鳥ビジネスなのだ。
すばらしい!
ツカサのネットルーム
昨年来、ネットカフェ難民の件は数々の報道がなされて来た。著名経済評論家が「年収300万円時代の・・・」という本を書いてベストセラーになる時代には、低所得者層がホームレスの一歩手前でネットカフェに辿り着くのは、ある意味で必然なのかもしれない。高度成長期までは、山谷(ウチの近所)辺りに所謂「ドヤ」という簡易宿泊所があり、「明日のジョー」よろしく低所得者層の受け皿になっていたが、現在では日雇いの人々自体が減ってきており、それに伴って簡易宿泊所も減っているようだ。
私も会社立ち上げ時の苦しいときに一人暮らしを始めたクチなので理解しているつもりだが、この国には定職・定収入を持たない独り者にとって、中々住居を得にくい現実がある。借地借家法が制定されて幾分変わるかと思われた我が国の不動産業界は、結局のところ何も変わらなく、この様な社会問題が起こるようになってしまった。もちろん、ネットカフェ難民問題を不動産業界だけの所為にするのは酷だが、業界から何も提案が無かったのも、また事実であろう。
ところが、やはり目ざとい起業家はいるもので、今回の目の付け所には非常に感心してしまった。川又社長のコメントを見てみよう。
ツカサの「ネットルーム」が都内で増加中 | エキサイトニュース"「社会問題が起こるということは、そこにニーズがある、足りないものがあるということです。そのためネットルームを運営することは、ビジネスであると同時に、不安定就労者の方々のための支援でもあるんです」(川又氏)"
これだけを読むと、あたかもボランティア気分で事業を始めたのように思えるが、2帖(3.3㎡)で3万9000円/月ということは、一般的な1R(ワンルーム)の広さである20㎡で計算すると23万円/月となり、共用部分やインフラ投資を考慮しても十二分にペイする価格設定であることが分かる。通常のネットカフェよりも設備や清潔感は遥かに上、それでいて提供価格はずっと安価である。現代のネットカフェ難民は、比較的学歴も高く、以前はそれなりの生活水準にあった者が多いので、これはかなりの潜在的ニーズが有るだろう。
もちろん、与信の問題などはまだ対処法が確立されていないのだろうが、私が一投資家として見た場合でも利回りはかなり良さそうで、今後FC化なども絡めつつ急速に成長するビジネスなのではないかと感じた次第である。
しかも、このビジネスは、
①社会問題を解決して、
②とても儲かるビジネス
なだけではなく、
③居住者に仕事を提供する
というサービス(個人支援プログラム:ツカサの仕事を提供)も付帯している、一石三鳥ビジネスなのだ。
すばらしい!
2007年04月03日: 「日本社会で起業するため本当に必要な9つのモノ」に対する実感
なんか、各所でGIGAZINEさんのところのエントリーに対する反応が広がっているので、こちらも釣られてみる。とりあえず、自分が一回のサラリーマンエンジニアから自分で起業して、まがりなりにも7年間経営してきた経験から理解した(と思った)ことを書いてみよう。尚、文中でGIGAZINEさんと異なる意見を述べているが、決して批判しているつもりはないのでご了承いただきたい。また、GIGAZINEさんと違って特に学生さんを意識はしていない。
~目次~
■ブルーオーシャンは結果論
■誰でも最初はニッチ市場
■会社が何年続くのかなんて誰にも分からない
■市場があれば誰かが引き継ぐ
■代表取締役とCEOと社長と営業と雑用係は自分
■バーンレート計算ができるかできないか
■利益が出ないロジックは正しくない
■世の中には赤字会社がたくさんあるという現実
■チャレンジしない人間は挫折すらできない
■あなたが起業するために必要なモノ
■ブルーオーシャンは結果論
「ブルーオーシャン」というものは目に見えない。もし目に見えるならば、たちまち競合者達が参集してレッドオーシャンと化すだろう。言い換えるならば無人島と同じである。もし、何らかの利用価値が見出されていれば、誰も住んでいない島になるはずがない。住んでも良いことがなさそうだからこその無人島であり、交通不便な場所なのである。
ところが、ここに何処かの物好きがやってきて穴を掘り始め、間違って金でも掘り当てると話が変わってくる。カリフォルニアのゴールドラッシュと同様に、山師が集まり、山師相手の宿屋と飲み屋が繁盛し、交通網が整備されて大きな街に成長するのだ。
ここで重要なのは、最初の物好きになるべきか、ならざるべきかということだろう。無人島で一生懸命穴を掘ったからといって、金が出る保障など何も無い。万が一、何かが出たとしても、大抵は塩水あたりが関の山だし、温泉でも出れば御の字というのが世間の常識である。但し、確率的には低いが金を超える石油が出ることも考えられなくはない。「ブルーオーシャン」戦略というのは、間違って石油が出た後でコンサルタントが表現する言葉なのである。こんなバズワードに騙されてはいけない。
■誰でも最初はニッチ市場
巨大企業の戦略子会社でもない限り、通常の新規参入者はリソースに限りがある中で戦わざるを得ない。当然、市場のカバレッジが低い中で生き残るために、ニッチ市場を志向することになる。投資家受けを考慮して、そのニッチ市場を指してロングテール戦略と表現することは別に構わないだろう。むしろ、ちょっと賢い部類ではないだろうか。
■会社が何年続くのかなんて誰にも分からない
「100年後もあなたの会社は存在しているのですか、そのときその会社は何をする企業になっているのですか?」という質問に対して、本気で具体的に答える奴はちょとどうかと思ってしまう。5年先も分からない世の中で、100年先まで具体的にプランニングすることは時間の無駄でしかない。1年持つかどうか分からないアーリーステージでは、計画は3年分あれば十分である。
ちなみに、GIGAZINEさんには悪いが、この質問は矛盾していると思う。後段で、所有と経営の分離について説いているのだから、100年後も「自分の会社」という認識では問題なのではないか。
■市場があれば誰かが引き継ぐ
経営者が何らかの理由で退場した場合、それが社内の人間かどうかは別として、市場と商品があれば何処かの商売人が引き継ぐのが普通である。もし引き継ぐ人間が居ない場合、それはその商品の市場があったのではなく、経営者個人が商品だったというケースが多い。
特定個人が商品だった場合には、例え保険を掛けていても、事故が起こった時点で商品がなくなるので商売も終わりである。電車や飛行機に乗らないとか、保険を掛けるとかは、本質的なヘッジになっていない。本来的には属人性を廃して、パブリックカンパニーになることが解決策だろう。
■代表取締役とCEOと社長と営業と雑用係は自分
起業当時は、むしろ後半の役職の方が重要である。特に営業に関しては、その道のプロが創業メンバーに居ない場合は、社長の最重要任務と言っても過言ではない。ここがクリアできないと遅かれ早かれ潰れるので、この段階で呼称や分業など考える必要は全く無い。
ちなみに、本稿が「日本社会で起業するため」と銘打っていることを勘案すると、「経営のプロを連れて来る」というのは、限りなくナンセンスである。そもそも自分の親族でもない限り、トラックレコードも無い起業家を支援してくれる「経営のプロ」など居るわけも無く、結局ブートストラップである段階まで自分で引き上げるしかないのである。
■キャッシュフロー計算ができるかできないか
小規模企業の悲劇の多くは、キャッシュフローの目算を誤ることにある。起業家が陥りやすい過ちもまたこれである。良くあるケースとしては、P/L予測のみでB/Sを考えていない事業計画書であり、B/S抜きにキャッシュフロー計算は出来ないので、一発で投資家に底の浅さを見抜かれやすい(まあ、自分も最初そうだったが・・・)。
起業指南書などでよく言われるバーンレート(燃焼効率)というのは、「会社の保有現金が尽きるまでどのくらいの時間があるか?」というパラメータで、これも一種のキャッシュフロー計算だ。足し算、引き算、掛け算、割り算、何でも良いのだが、現金に強くないと、どんなに一生懸命計算をしても机上の空論で終わるのである。
■利益が出ないロジックは正しくない
これは逆説である。「ロジックが正しくても利益は出ない」のではなく、「利益が出ないロジックは正しくない」のだ。ビジネスというものは、最終的に金銭で帳尻が合うように出来ている。よって、考え方が正しいのに計算が合わないというのは現実を直視していないだけであり、もし、最終的な帳尻が計画と合わないのであれば、計画の方を修正しなければならない。
■生業はたくさんあるがベンチャーは少ないという現実
生業とベンチャー企業はその目的が全く異なる。世の中に会社はごまんとあるが、所謂ベンチャー企業というものは一握りである。もし、あなたが生業ではなくベンチャー企業を起こそうと考えているのであれば、その殆どが生業に属する企業なので世間の他の会社のことは忘れた方が良い。企業は生ものなので、根本的にカテゴリーが異なる企業の経営戦略はあまり参考にならないことが多いのだ。むしろ正反対と言っても良い。
生業vsベンチャーで例を挙げると、
給与:家族の総収入を重視⇔なるべく会社に利益を残す
経費:損金算入の限界まで活用⇔経費は限界まで削減
資本:100%自分資本を堅持⇔VC資金を有効活用
という感じに異なるのである。
■チャレンジしない人間は挫折すらできない
人にはそれぞれ能力差がある。これは厳然とした事実である。しかしながら、人間の特徴は、学習によって能力を向上させることが出来る部分であることも、また事実である。
問題は、挫折をするためには現状のキャパシティーを超えるチャレンジをしなければならないことだ。キャパシティを超えるチャレンジなので、当然に失敗が多く生まれる。変に賢い人は、自らのキャパシティをキチンと把握し、予め失敗を予見できるのでチャレンジそのものを回避してしまうのだが、これでは学習能力が働かない。
自分の廻りを見ても、起業してまがりなりにも何とかやっている人物の多くは、「懲りないなぁ」というくらいに失敗し、そして学習している。但し、その失敗を決して致命的な大きさにはしない。どうも、大胆且つ小心という相矛盾した性質が必要な様である。
■あなたが起業するために必要なモノ
学問と異なり、ビジネスに正解はない。先にも述べた通り、全てが結果論である。例え私が書いていることと異なる行動をしても、結果的にビジネスが成功すればそれが正しいのである。一見矛盾しているようだが、個人的にはこれを理解したうえで、先人の知恵を吸収できるかどうかが非常に大きいと考えている。
自分で書いていて、「きっとこれを読んでも何のことか分からないだろう」と思ったが、とりあえず自分の実感を書いてみた。本当のところを言うと、起業に成功するタイプの人はこんなエントリーを読んだりしないのだが、最初にそう書くと誰も読んでくれないので最後に書いてみた。皆さんごめんなさい。
日本社会で起業するため本当に必要な9つのモノ - GIGAZINE"ホリエモンによっておそらく本格的に火がついたというか、注目されてきた就職以外の「起業」という選択について、大いなる誤解が跋扈しているので警鐘の意味を込め、どちらかというと学生向けに書いていきます。なので、実際に起業したいと考えている人にとっては不愉快きわまりない超ネガティブなものになっていることを最初に注意しておきます。ですが、これがおそらく日本における真実です。"
~目次~
■ブルーオーシャンは結果論
■誰でも最初はニッチ市場
■会社が何年続くのかなんて誰にも分からない
■市場があれば誰かが引き継ぐ
■代表取締役とCEOと社長と営業と雑用係は自分
■バーンレート計算ができるかできないか
■利益が出ないロジックは正しくない
■世の中には赤字会社がたくさんあるという現実
■チャレンジしない人間は挫折すらできない
■あなたが起業するために必要なモノ
■ブルーオーシャンは結果論
「ブルーオーシャン」というものは目に見えない。もし目に見えるならば、たちまち競合者達が参集してレッドオーシャンと化すだろう。言い換えるならば無人島と同じである。もし、何らかの利用価値が見出されていれば、誰も住んでいない島になるはずがない。住んでも良いことがなさそうだからこその無人島であり、交通不便な場所なのである。
ところが、ここに何処かの物好きがやってきて穴を掘り始め、間違って金でも掘り当てると話が変わってくる。カリフォルニアのゴールドラッシュと同様に、山師が集まり、山師相手の宿屋と飲み屋が繁盛し、交通網が整備されて大きな街に成長するのだ。
ここで重要なのは、最初の物好きになるべきか、ならざるべきかということだろう。無人島で一生懸命穴を掘ったからといって、金が出る保障など何も無い。万が一、何かが出たとしても、大抵は塩水あたりが関の山だし、温泉でも出れば御の字というのが世間の常識である。但し、確率的には低いが金を超える石油が出ることも考えられなくはない。「ブルーオーシャン」戦略というのは、間違って石油が出た後でコンサルタントが表現する言葉なのである。こんなバズワードに騙されてはいけない。
■誰でも最初はニッチ市場
巨大企業の戦略子会社でもない限り、通常の新規参入者はリソースに限りがある中で戦わざるを得ない。当然、市場のカバレッジが低い中で生き残るために、ニッチ市場を志向することになる。投資家受けを考慮して、そのニッチ市場を指してロングテール戦略と表現することは別に構わないだろう。むしろ、ちょっと賢い部類ではないだろうか。
■会社が何年続くのかなんて誰にも分からない
「100年後もあなたの会社は存在しているのですか、そのときその会社は何をする企業になっているのですか?」という質問に対して、本気で具体的に答える奴はちょとどうかと思ってしまう。5年先も分からない世の中で、100年先まで具体的にプランニングすることは時間の無駄でしかない。1年持つかどうか分からないアーリーステージでは、計画は3年分あれば十分である。
ちなみに、GIGAZINEさんには悪いが、この質問は矛盾していると思う。後段で、所有と経営の分離について説いているのだから、100年後も「自分の会社」という認識では問題なのではないか。
■市場があれば誰かが引き継ぐ
経営者が何らかの理由で退場した場合、それが社内の人間かどうかは別として、市場と商品があれば何処かの商売人が引き継ぐのが普通である。もし引き継ぐ人間が居ない場合、それはその商品の市場があったのではなく、経営者個人が商品だったというケースが多い。
特定個人が商品だった場合には、例え保険を掛けていても、事故が起こった時点で商品がなくなるので商売も終わりである。電車や飛行機に乗らないとか、保険を掛けるとかは、本質的なヘッジになっていない。本来的には属人性を廃して、パブリックカンパニーになることが解決策だろう。
■代表取締役とCEOと社長と営業と雑用係は自分
起業当時は、むしろ後半の役職の方が重要である。特に営業に関しては、その道のプロが創業メンバーに居ない場合は、社長の最重要任務と言っても過言ではない。ここがクリアできないと遅かれ早かれ潰れるので、この段階で呼称や分業など考える必要は全く無い。
ちなみに、本稿が「日本社会で起業するため」と銘打っていることを勘案すると、「経営のプロを連れて来る」というのは、限りなくナンセンスである。そもそも自分の親族でもない限り、トラックレコードも無い起業家を支援してくれる「経営のプロ」など居るわけも無く、結局ブートストラップである段階まで自分で引き上げるしかないのである。
■キャッシュフロー計算ができるかできないか
小規模企業の悲劇の多くは、キャッシュフローの目算を誤ることにある。起業家が陥りやすい過ちもまたこれである。良くあるケースとしては、P/L予測のみでB/Sを考えていない事業計画書であり、B/S抜きにキャッシュフロー計算は出来ないので、一発で投資家に底の浅さを見抜かれやすい(まあ、自分も最初そうだったが・・・)。
起業指南書などでよく言われるバーンレート(燃焼効率)というのは、「会社の保有現金が尽きるまでどのくらいの時間があるか?」というパラメータで、これも一種のキャッシュフロー計算だ。足し算、引き算、掛け算、割り算、何でも良いのだが、現金に強くないと、どんなに一生懸命計算をしても机上の空論で終わるのである。
■利益が出ないロジックは正しくない
これは逆説である。「ロジックが正しくても利益は出ない」のではなく、「利益が出ないロジックは正しくない」のだ。ビジネスというものは、最終的に金銭で帳尻が合うように出来ている。よって、考え方が正しいのに計算が合わないというのは現実を直視していないだけであり、もし、最終的な帳尻が計画と合わないのであれば、計画の方を修正しなければならない。
■生業はたくさんあるがベンチャーは少ないという現実
生業とベンチャー企業はその目的が全く異なる。世の中に会社はごまんとあるが、所謂ベンチャー企業というものは一握りである。もし、あなたが生業ではなくベンチャー企業を起こそうと考えているのであれば、その殆どが生業に属する企業なので世間の他の会社のことは忘れた方が良い。企業は生ものなので、根本的にカテゴリーが異なる企業の経営戦略はあまり参考にならないことが多いのだ。むしろ正反対と言っても良い。
生業vsベンチャーで例を挙げると、
給与:家族の総収入を重視⇔なるべく会社に利益を残す
経費:損金算入の限界まで活用⇔経費は限界まで削減
資本:100%自分資本を堅持⇔VC資金を有効活用
という感じに異なるのである。
■チャレンジしない人間は挫折すらできない
人にはそれぞれ能力差がある。これは厳然とした事実である。しかしながら、人間の特徴は、学習によって能力を向上させることが出来る部分であることも、また事実である。
問題は、挫折をするためには現状のキャパシティーを超えるチャレンジをしなければならないことだ。キャパシティを超えるチャレンジなので、当然に失敗が多く生まれる。変に賢い人は、自らのキャパシティをキチンと把握し、予め失敗を予見できるのでチャレンジそのものを回避してしまうのだが、これでは学習能力が働かない。
自分の廻りを見ても、起業してまがりなりにも何とかやっている人物の多くは、「懲りないなぁ」というくらいに失敗し、そして学習している。但し、その失敗を決して致命的な大きさにはしない。どうも、大胆且つ小心という相矛盾した性質が必要な様である。
■あなたが起業するために必要なモノ
学問と異なり、ビジネスに正解はない。先にも述べた通り、全てが結果論である。例え私が書いていることと異なる行動をしても、結果的にビジネスが成功すればそれが正しいのである。一見矛盾しているようだが、個人的にはこれを理解したうえで、先人の知恵を吸収できるかどうかが非常に大きいと考えている。
自分で書いていて、「きっとこれを読んでも何のことか分からないだろう」と思ったが、とりあえず自分の実感を書いてみた。本当のところを言うと、起業に成功するタイプの人はこんなエントリーを読んだりしないのだが、最初にそう書くと誰も読んでくれないので最後に書いてみた。皆さんごめんなさい。
2006年10月15日: 「Lifelog」稼働開始
先週の金曜日に、当社として初めてのコンシューマ向けサービスとなる「Lifelog」を発表した。
ということで、「Lifelog」はSNS型カレンダーサービスなのである。

もっとも、現在はようやく立ち上がったアルファ版ということで、まだまだやり残していることは沢山ある。年内はこれらの残件を少しづつこなして行き、年明けからベータ版に移行させていこうと考えている。
実は当社では、今年の春からラボ(Labo)という組織を立ち上げており、そこでの最初の成果がこの「Lifelog」である。これまで当社では、ずっと企業向けシステムをやって来たので、当初コンシューマ向けサービスの企画はかなり難航した。もちろん、やりたい事や面白そうなことはすぐに見つかるのだが、企業として投資をして実施するとなると、そう簡単には行かない。いくら実験的なプロジェクトとは言え、ある程度ビジネスとして成り立つ算段がなければ、そうそう始められるものではない。
そんな訳で、4月の何も企画が無い段階から何度かの挫折と変更があり、企画が現在の「Lifelog」の形に落ち着いたのは、6月に入ってからとなった。といっても、企画もそれほど練りこんだ訳ではなく、「まあ、こんなもんだろ」ということで設計とコーディングに入った。そして8月中旬にようやくプロトタイプが出来上がったのだが、やはり人間キチンと動くものが出来ると欲が出るものである。私のわがままで概ね決まっていたデザインを全面的にリフレッシュし、結果的に再度作り直すことになってしまった。
但し、この最終的に出来上がったものには、それなりに自信を持っている。既に外販についての問い合わせも来ており(早っ)、今後は当社のこれまでの経験とシナジーを出せるように展開していこうと思う。機能の詳細については、本Blog上でまた紹介させてもらうとして、まずはこのレースに参戦できたことを嬉しく思う今日この頃である。
ラボの皆さん、お疲れ様でした。今後ともよろしく。
オレガ 友人と体験を共有するサービス「Lifelog」を開始 Web2.0技術を活用したSNS型カレンダーサービスに参入"「Lifelog」は、Web2.0時代のこれからの動きを見据えたサービスとして、「友人と現在・過去・未来の体験を共有する」ことをコンセプトに開発された、無償のSNS型カレンダーサービスです。従来のカレンダーサービスと異なり、一つのイベントを複数人で共有し、相互にコンテンツを編集することができるほか、新たに友人を共有者として招待したり、グループメンバーのスケジュールを一覧したりすることが可能です。また、Google MapなどのWebサービスとのマッシュアップ、AJAX(Asynchronous JavaScript XML)を利用したリッチなユーザインターフェース、共有機能を用いたCGM(Consumer Generated Media)などのWeb2.0的な要素も盛り込んでいます。"
ということで、「Lifelog」はSNS型カレンダーサービスなのである。

もっとも、現在はようやく立ち上がったアルファ版ということで、まだまだやり残していることは沢山ある。年内はこれらの残件を少しづつこなして行き、年明けからベータ版に移行させていこうと考えている。
実は当社では、今年の春からラボ(Labo)という組織を立ち上げており、そこでの最初の成果がこの「Lifelog」である。これまで当社では、ずっと企業向けシステムをやって来たので、当初コンシューマ向けサービスの企画はかなり難航した。もちろん、やりたい事や面白そうなことはすぐに見つかるのだが、企業として投資をして実施するとなると、そう簡単には行かない。いくら実験的なプロジェクトとは言え、ある程度ビジネスとして成り立つ算段がなければ、そうそう始められるものではない。
そんな訳で、4月の何も企画が無い段階から何度かの挫折と変更があり、企画が現在の「Lifelog」の形に落ち着いたのは、6月に入ってからとなった。といっても、企画もそれほど練りこんだ訳ではなく、「まあ、こんなもんだろ」ということで設計とコーディングに入った。そして8月中旬にようやくプロトタイプが出来上がったのだが、やはり人間キチンと動くものが出来ると欲が出るものである。私のわがままで概ね決まっていたデザインを全面的にリフレッシュし、結果的に再度作り直すことになってしまった。
但し、この最終的に出来上がったものには、それなりに自信を持っている。既に外販についての問い合わせも来ており(早っ)、今後は当社のこれまでの経験とシナジーを出せるように展開していこうと思う。機能の詳細については、本Blog上でまた紹介させてもらうとして、まずはこのレースに参戦できたことを嬉しく思う今日この頃である。
ラボの皆さん、お疲れ様でした。今後ともよろしく。
2006年09月27日: 成功する社名の付け方
社名や新サービス・新製品の命名にはいつも苦労する。良く言われる命名法則として、短いもの(日本語4音程度)、インパクトあるもの、何か良いことを連想させるもの、英語にしたときにNGワードにならないもの、などがあるが、「じゃあ実際にどうするの?」となると、途端にコレといったアイデアが出にくくなる。
洋モノだが、命名規則についてなるほどと思わせる文章がCNETにあった。
著者はVBに詳しい副編集長とのこと。なるほど、最近のかっこいい2.0系VBはこんな風に社名を決めているらしい。
そうすると、良さげな社名としては、「DragonWarrior(中世ファンタジー風)」とか、「Rapier(中世武器風)」とか、「LaCorona(スペイン料理レストラン風)」とか、「Desslok(宇宙戦艦ヤマト風)」とかがナイスなのか??
洋モノだが、命名規則についてなるほどと思わせる文章がCNETにあった。
成功への第一歩--起業家へ贈る「付けて良い社名、悪い社名ガイド」 - CNET Japan"1. 迷ったときは、中世風な名前にすること。Ceragon Networksの「Ceragon」などは良い例だ。
武器の名前もよいだろう。Crossbow Technologiesなどがそうだ。私の大学時代のルームメイトは起業してこの方法で社名を付けて成功した。その社名とはLightHammerだ。彼がこの名前を選んだのは、「ロード・オブ・ザ・リング」とロックバンドLed Zeppelinの伝記本「Hammer of the Gods」を連想させるからだ。彼はのちにその会社をSAPに売却した。
2. スペイン料理レストランのような響きの名前を使う。Spansion、Taleo、Digitasなど。
3. William Shatner演じる『スタートレック』のカーク船長が戦いを挑む相手のような名前にする。Santarus、Sirtris、DayStar、Questcor Pharmaceuticalsなど。"
著者はVBに詳しい副編集長とのこと。なるほど、最近のかっこいい2.0系VBはこんな風に社名を決めているらしい。
そうすると、良さげな社名としては、「DragonWarrior(中世ファンタジー風)」とか、「Rapier(中世武器風)」とか、「LaCorona(スペイン料理レストラン風)」とか、「Desslok(宇宙戦艦ヤマト風)」とかがナイスなのか??
2006年09月06日: エンタープライズ2.0?
フィードパス社が米Zimbraと提携して日本展開を行うとの事。Zimbra自体はその筋では有名な会社であるので提携するメリットも分かるのだが、個人的にサイボウズ本体のビジネスと競合すると考えていたので少々意外である。
この話の要素を挙げてみると以下のようになる。
・企業向けのフロントオフィススイートである
・AJAX技術を全面的に採用している
・マッシュアップを積極的に採用している
・SaaSである
・広告モデルではなく有償サービスである
特に、
という洞察は非常に興味深い。
今後、ソフトウェアのコモディティ化が進むにつれ、価格の低下と販売ボリュームの増大がセットで発生することは概ね間違いないだろう。そのときに、その流れがどこまで行って収斂するのかは現時点では分からない。特に上記では広告モデルをナローパスとして述べているが、広告配信システムを持っていないと思われるmixiやはてななどと競合することを考えた場合、果たしてそれで良いのかどうかは判断が分かれるところだろう。
この話の要素を挙げてみると以下のようになる。
・企業向けのフロントオフィススイートである
・AJAX技術を全面的に採用している
・マッシュアップを積極的に採用している
・SaaSである
・広告モデルではなく有償サービスである
特に、
Zimbraを核に、法人向けビジネスに挑むWeb 2.0ビジネスのエバンジェリスト - CNET Japan"このように、今後のフィードパスは秋に向けて法人向けに有償でSaaSを展開していくことに注力している。広告モデルで「ロングテール」の「テール」をおさえられるのは広告配信システムを持っている企業だけだ。また、「ヘッド」の部分は、ほとんどヤフーの独占状態にある。我々は広告でポータルのようにコンテンツを提供するのではなく、ツールをSaaSとして提供していくことを柱にしていく考えだ。そのため、広告ビジネスでなく有償で法人に提供していくは自然な流れであると思う。"
という洞察は非常に興味深い。
今後、ソフトウェアのコモディティ化が進むにつれ、価格の低下と販売ボリュームの増大がセットで発生することは概ね間違いないだろう。そのときに、その流れがどこまで行って収斂するのかは現時点では分からない。特に上記では広告モデルをナローパスとして述べているが、広告配信システムを持っていないと思われるmixiやはてななどと競合することを考えた場合、果たしてそれで良いのかどうかは判断が分かれるところだろう。
2006年08月15日: ミクシィ上場とWeb2.0のビジネス化
GoogleとMySpaceの提携発表と時を同じくして、以前から噂されていた通り、国内SNSの雄であるミクシィの上場が発表された。上場時時価総額2000億円(某VC関係者談)とも噂される案件なので、早速公開目論見書を取り寄せて読み込んでみた。
まず、意外に思ったのは直前期(2006年3月期)売上高18億円の内、2/3の12億円程度が従来からのメインビジネスであるFindjob事業から生み出されていることである。mixi事業の寄与部分は残り1/3の6億円程度でしかない。また、Findjob事業の売上高が直前前期(2005年3月期)から急激に伸びているが、これはmixiの拡大時期と同期しているように見える。mixi事業のブランド力が本業の集客力に繋がったのかどうかは書類上不明だが、少なくともコンシューマが絡む転職サイトビジネスにおいて、知名度向上が有効に作用したであろう事は想像に難くない。
細かい数字は割愛するが、流動比率やROEから見ても非常に優良な企業であることは間違いない。特に利益率の高さは特筆モノで、営業利益率で50%程度もある。逆に利益率が高すぎて租税負担が重く、企業規模に比較してかなりのキャッシュリッチとはいえ、大規模な投資は中々難しそうである。もしかしたら、その辺りがIPOで資金調達しようとする理由の一つかもしれない。
興味深いのは売掛金の項目で、上位から
①DAC
②サイバーエージェント
③CCI
④GMOペイメントゲートウェイ
⑤セプテーニ
となっており、④意外は全てメディアレップ(広告代理店)である。
ミクシィ社の事業構成から考えて、Findjob事業の売掛金は顧客が求人企業で且つ、概ね小口と想定されることから、「その他」項目の19,000万円がFindjob事業の売掛金であろう。そうなると、必然的に残り4社(①、②、③、⑤)の売掛金がmixi事業のものとなる。レップの売掛金滞留期間がどれくらいかは良く分からないのだが、2ヶ月程度と仮定すると、4社の売掛金合計額が13,000万円であるため、月平均の広告収入は6,500万円となり、年換算して78,000万円/年となる。また同様に、④は有償サービスの決済代行業者と考えられるので、同様に2ヶ月で計算すると900万円/月と推定され、年換算して10,800万円/年となる。これをどう見るかは人それぞれだが、私個人としては「意外に少ないな」というのが実感である。
米国のNo.1SNSであるMySpaceの場合、ユーザ数が約1億人で広告収入が35億円程度と言われているので、単純計算するとユーザ一人あたり広告収入は35円/ユーザとなる。これをmixiの500万ユーザに換算した場合17,500万円の売上となるので、MySpaceに比べるとmixiはPVの収益化が上手く行っている方なのかもしれない。ちなみに、前述のmixiの推定値をMySpaceに当てはめた場合の広告収入は、単純に20倍すれば良いので156億円程度が見込まれる。
ここまで考えてみると、下記の引用文もあながち的外れではないことが良く分かる。
それにしても、ユーザ数1億人のMySpaceが時価総額600億円程度で、規模からするとその1/20であるミクシィの時価総額が2000億円と予想されているのは、いったいどのように解釈すれば良いのだろうか? バブルと切り捨てるのは簡単だが、楽天にせよ、ライブドアにせよ、皆IPOで調達した資金を利用して大きくなって来た企業である。今回の調達資金をミクシィがどのように利用するのかは分からないが、使い方次第で業界が大きく変わる可能性を秘めているのは間違い無いだろう。
【追記】
現在の予想株価では、ミクシィの上場時時価総額は1000億円程度とのこと。
まず、意外に思ったのは直前期(2006年3月期)売上高18億円の内、2/3の12億円程度が従来からのメインビジネスであるFindjob事業から生み出されていることである。mixi事業の寄与部分は残り1/3の6億円程度でしかない。また、Findjob事業の売上高が直前前期(2005年3月期)から急激に伸びているが、これはmixiの拡大時期と同期しているように見える。mixi事業のブランド力が本業の集客力に繋がったのかどうかは書類上不明だが、少なくともコンシューマが絡む転職サイトビジネスにおいて、知名度向上が有効に作用したであろう事は想像に難くない。
細かい数字は割愛するが、流動比率やROEから見ても非常に優良な企業であることは間違いない。特に利益率の高さは特筆モノで、営業利益率で50%程度もある。逆に利益率が高すぎて租税負担が重く、企業規模に比較してかなりのキャッシュリッチとはいえ、大規模な投資は中々難しそうである。もしかしたら、その辺りがIPOで資金調達しようとする理由の一つかもしれない。
興味深いのは売掛金の項目で、上位から
①DAC
②サイバーエージェント
③CCI
④GMOペイメントゲートウェイ
⑤セプテーニ
となっており、④意外は全てメディアレップ(広告代理店)である。
ミクシィ社の事業構成から考えて、Findjob事業の売掛金は顧客が求人企業で且つ、概ね小口と想定されることから、「その他」項目の19,000万円がFindjob事業の売掛金であろう。そうなると、必然的に残り4社(①、②、③、⑤)の売掛金がmixi事業のものとなる。レップの売掛金滞留期間がどれくらいかは良く分からないのだが、2ヶ月程度と仮定すると、4社の売掛金合計額が13,000万円であるため、月平均の広告収入は6,500万円となり、年換算して78,000万円/年となる。また同様に、④は有償サービスの決済代行業者と考えられるので、同様に2ヶ月で計算すると900万円/月と推定され、年換算して10,800万円/年となる。これをどう見るかは人それぞれだが、私個人としては「意外に少ないな」というのが実感である。
米国のNo.1SNSであるMySpaceの場合、ユーザ数が約1億人で広告収入が35億円程度と言われているので、単純計算するとユーザ一人あたり広告収入は35円/ユーザとなる。これをmixiの500万ユーザに換算した場合17,500万円の売上となるので、MySpaceに比べるとmixiはPVの収益化が上手く行っている方なのかもしれない。ちなみに、前述のmixiの推定値をMySpaceに当てはめた場合の広告収入は、単純に20倍すれば良いので156億円程度が見込まれる。
ここまで考えてみると、下記の引用文もあながち的外れではないことが良く分かる。
CNET Japan Blog - 中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル"それにしても、GoogleがMySpaceに対して払う額(2007年から2010年にかけて$900M=約1000億円)は破格である。これでNews CorpがMySpaceの買収に使った$580M(600億円強)が無駄ではなかったことを証明できただけでなく、「広告スペースを売る」ことに長けたメディア会社が真剣に取り組めばWeb2.0的なビジネスからもきちんと収入を上げられることを証明したことは価値がある。"
それにしても、ユーザ数1億人のMySpaceが時価総額600億円程度で、規模からするとその1/20であるミクシィの時価総額が2000億円と予想されているのは、いったいどのように解釈すれば良いのだろうか? バブルと切り捨てるのは簡単だが、楽天にせよ、ライブドアにせよ、皆IPOで調達した資金を利用して大きくなって来た企業である。今回の調達資金をミクシィがどのように利用するのかは分からないが、使い方次第で業界が大きく変わる可能性を秘めているのは間違い無いだろう。
【追記】
現在の予想株価では、ミクシィの上場時時価総額は1000億円程度とのこと。
2006年08月09日: マーケティング戦略の転換
当社はこれまで、主に大企業向けに高額製品を販売する戦略を取って来ているのだが、今後ソフトウェアのサービス化(SaaS対応など)を考慮した場合、レベニューモデルが異なるため、以下に指摘されているようにマーケティング戦略(それ程しっかりしているワケではないが)を再構築する必要が出てきている。
これは、言うのは簡単だが実行することが非常に難しいテーマである。
先日、OBCさんとアタックスさんとで合弁設立したアフォードは、社内的にはこの試みの一つだと捉えられており、当社としては項目4を軸としてこのテーマに挑もうと考えていることになる。
当然、単にマーケティングを変換するだけということではなく、対応する製品なりサービスなりもこれらにターゲットを合わせて再設計することが必要で、当社でも次世代Alternaxの開発と並行する形で進めている。どちらかというと業態転換に近いため、難易度はかなり高いのだが、一方でもう一度起業しているような面白さも感じており、「痛気持ちいい」感覚で進めている。
漸くアウトプットが出始める時期まで来ているので、もう少し捻って、より魅力的なビジネスとして世に出していこうと考えている。
CNET Japan Blog - 坂本健太郎のIT業界マーケティング活用術"ロングテール的マーケティング戦略の主なポイントは下記の通りです。
1、少顧客数大案件規模→多顧客数小案件規模への営業思考の変化
2、顧客価値を元にしたマーケティング戦略の立案
3、製品にパートナーが付加価値を加えやすいインターフェースの開発
4、顧客に近いパートナーとの関係強化
このロングテール的マーケティング戦略は、よくあるチャネルの中抜きではありません。顧客価値という視点でサービスビジネス戦略を構築したうえで、顧客価値を共同で提供可能な企業とパートナリングを行うという発想です。"
これは、言うのは簡単だが実行することが非常に難しいテーマである。
先日、OBCさんとアタックスさんとで合弁設立したアフォードは、社内的にはこの試みの一つだと捉えられており、当社としては項目4を軸としてこのテーマに挑もうと考えていることになる。
当然、単にマーケティングを変換するだけということではなく、対応する製品なりサービスなりもこれらにターゲットを合わせて再設計することが必要で、当社でも次世代Alternaxの開発と並行する形で進めている。どちらかというと業態転換に近いため、難易度はかなり高いのだが、一方でもう一度起業しているような面白さも感じており、「痛気持ちいい」感覚で進めている。
漸くアウトプットが出始める時期まで来ているので、もう少し捻って、より魅力的なビジネスとして世に出していこうと考えている。
2006年06月07日: 風船ゲーム
以前来社いただいたレオス藤野社長の記事を読んだので、折角だから引用してみる。
う~ん、基本的に同意である。同意ではあるのだが、恐らく堀江さんとか村上さんとかも、これらのことは分かっていたのではないだろうか。結果として違法行為をしてしまったこと自体はきちんと責められるべきであるが、「じゃあ、普通の人が運だけであそこまで駆け上がれたのか?」と問われると、やはりその答えは否であろう。例え悪人であろうと、その悪人の世界で短期間に登って行く要素が運だけということはなく、必ず何らかの才覚が求められるはずだ。(藤野さんの表現では天才ということになるのだろうが)
では、その才覚があるはずの人物が、同じように落ちていく光景を何度も見るのは何故だろうか?
私としては、ドンドンと膨らんでいく風船をたらい回しにする風船ゲームのように、彼らがお金のパワーというか、得体の知れない何かに背中を押されていたのではないかと考えてしまう。ベンチャーを取り巻く株式のゲームも当然中に含まれるが、自分の周辺の状況から想像しても、成功すればするほどそのような力に囲まれる可能性が高くなるように感じる今日この頃である。
RHEOS REPORT:天才だったが・・・ - livedoor Blog(ブログ)"法律は人の手によって作られ人の手によって守られる。人というのは大衆の合意であり、原則的には政治家によって作られるのである。政治家は国民による選挙によって選ばれている以上、多くの国民が理解できないことや不快に思うことが通り続けることはない。"
う~ん、基本的に同意である。同意ではあるのだが、恐らく堀江さんとか村上さんとかも、これらのことは分かっていたのではないだろうか。結果として違法行為をしてしまったこと自体はきちんと責められるべきであるが、「じゃあ、普通の人が運だけであそこまで駆け上がれたのか?」と問われると、やはりその答えは否であろう。例え悪人であろうと、その悪人の世界で短期間に登って行く要素が運だけということはなく、必ず何らかの才覚が求められるはずだ。(藤野さんの表現では天才ということになるのだろうが)
では、その才覚があるはずの人物が、同じように落ちていく光景を何度も見るのは何故だろうか?
私としては、ドンドンと膨らんでいく風船をたらい回しにする風船ゲームのように、彼らがお金のパワーというか、得体の知れない何かに背中を押されていたのではないかと考えてしまう。ベンチャーを取り巻く株式のゲームも当然中に含まれるが、自分の周辺の状況から想像しても、成功すればするほどそのような力に囲まれる可能性が高くなるように感じる今日この頃である。
2005年08月29日: 起業して分かったこと その1
先週の水曜日に、私の母校である東京農工大学MOTコースで当社を起業した経験について話をしてきました。時間が質疑応答込みで2時間程度でしたので、話としてはある程度表面的なものになってしまいましたが、主題として「お金の感覚と取り扱い」というテーマに絞った結果、それなりに分かりやすい話にはなったと思います。実は今日も、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科で出版されているBizComというNews Letterに取材を受けたのですが、先方がMBAということもあって、やはり同様にお金の話をすることになりました。
農工大のプレゼン資料は、起業を志す技術系の学生に伝えたい「起業して分かったこと」というコンセプトで、これまでの講演などからかき集めたPPTで作りました。せっかくまとめた資料ですので、本来ならそのままBlog上で公開した方が良いのかもしれませんが、あまり広く公開したくない情報も混じっていますので、今回から何回かに分割して概略説明のみ記すことにします。
経営者の仕事は営業(と雑用)である
技術系VBの場合、一番難しい部分は実際にお金を払ってもらえる顧客を見つけ出すところだと思います。また、創業直後は少人数ですべてをこなさなければならないため、いきおい社長が雑用をこなす事になります。特にエンジニアが主戦力であるアーリーステージにおいては、彼らの全能力を生産行為に当てるため、残ったスタッフ系人材(当社の場合は私)がその他の雑用を賄うことが重要です。最初から社長がふんぞり返っているような会社は大変でしょうね。
ケチケチ戦略で早いうちから低コストの事業構造を構築しよう
これは以前にも書きましたが、キャッシュフロー(以下、CF)がポジティブとネガティブでは、会社の運営上雲泥の差があります。VBの場合、事業の立ち上げ段階で売上計画が予定通りに進捗することは稀ですので、CFをコントロールするためには出費を削減する以外にはありません。現在上場している先輩VBにおいても、成功している企業の創業期にはケチケチだったとよく聞きます。創業段階でケチケチ文化を育成できないとなかなかCFが転換しませんし、大きくなっても浪費癖が抜けない儲からない会社になると思います。
焦って成長を急ぎすぎず、まず利益を志向せよ
これもケチケチ戦略と同様ですが、こちらは一部マーケティングにも踏み込んでいます。まず、多くのVBはマーケットニッチから入ることが多いと思いますが、その段階でいきなりビジネス的金脈を掘り当てることは非常に難しく、市場からは最初に自社製品やサービスにネガティブな反応を得ることが殆どでしょう。このような市場のニーズが十分に開拓されていない段階で、広告やセミナーなどのマーケティングコストに多額を費やすと、その投資回収に苦労することになります。当社の経験からも、この段階ではコストを抑えつつ地道に顧客を増やすことが重要で、ある程度市場が開拓されてきて、尚且つ自社に資金的な余裕が出来てからマーケティングに投資すべきと思います。
高度な技術力が差別化の源泉であるとは限らない
これは特に技術系の学生さんに言いたかったことでして、エンジニアはどうしても「強力な技術力があれば、ビジネス的にも差別化できる」と考えがちですが、情報の伝達速度が加速化し、複製コストも低減化された現在では、これは大きな間違いだと思います。最近世間を騒がしているM&Aなどを考えれば分かるとおり、技術のみならず会社も売買することが出来ます。また、自動車や家電などの大手メーカー間ではクロスパテントが当たり前になっており、特定のニッチ領域で尖った技術を保持していても、簡単に回避(もしくは相殺)できる世の中になってきました。今は「マネできない技術を持つ」ではなく、「マネされても負けないビジネスを持つ」という状況になっていると思います。
今回はここまでにしておきます。
農工大のプレゼン資料は、起業を志す技術系の学生に伝えたい「起業して分かったこと」というコンセプトで、これまでの講演などからかき集めたPPTで作りました。せっかくまとめた資料ですので、本来ならそのままBlog上で公開した方が良いのかもしれませんが、あまり広く公開したくない情報も混じっていますので、今回から何回かに分割して概略説明のみ記すことにします。
経営者の仕事は営業(と雑用)である
技術系VBの場合、一番難しい部分は実際にお金を払ってもらえる顧客を見つけ出すところだと思います。また、創業直後は少人数ですべてをこなさなければならないため、いきおい社長が雑用をこなす事になります。特にエンジニアが主戦力であるアーリーステージにおいては、彼らの全能力を生産行為に当てるため、残ったスタッフ系人材(当社の場合は私)がその他の雑用を賄うことが重要です。最初から社長がふんぞり返っているような会社は大変でしょうね。
ケチケチ戦略で早いうちから低コストの事業構造を構築しよう
これは以前にも書きましたが、キャッシュフロー(以下、CF)がポジティブとネガティブでは、会社の運営上雲泥の差があります。VBの場合、事業の立ち上げ段階で売上計画が予定通りに進捗することは稀ですので、CFをコントロールするためには出費を削減する以外にはありません。現在上場している先輩VBにおいても、成功している企業の創業期にはケチケチだったとよく聞きます。創業段階でケチケチ文化を育成できないとなかなかCFが転換しませんし、大きくなっても浪費癖が抜けない儲からない会社になると思います。
焦って成長を急ぎすぎず、まず利益を志向せよ
これもケチケチ戦略と同様ですが、こちらは一部マーケティングにも踏み込んでいます。まず、多くのVBはマーケットニッチから入ることが多いと思いますが、その段階でいきなりビジネス的金脈を掘り当てることは非常に難しく、市場からは最初に自社製品やサービスにネガティブな反応を得ることが殆どでしょう。このような市場のニーズが十分に開拓されていない段階で、広告やセミナーなどのマーケティングコストに多額を費やすと、その投資回収に苦労することになります。当社の経験からも、この段階ではコストを抑えつつ地道に顧客を増やすことが重要で、ある程度市場が開拓されてきて、尚且つ自社に資金的な余裕が出来てからマーケティングに投資すべきと思います。
高度な技術力が差別化の源泉であるとは限らない
これは特に技術系の学生さんに言いたかったことでして、エンジニアはどうしても「強力な技術力があれば、ビジネス的にも差別化できる」と考えがちですが、情報の伝達速度が加速化し、複製コストも低減化された現在では、これは大きな間違いだと思います。最近世間を騒がしているM&Aなどを考えれば分かるとおり、技術のみならず会社も売買することが出来ます。また、自動車や家電などの大手メーカー間ではクロスパテントが当たり前になっており、特定のニッチ領域で尖った技術を保持していても、簡単に回避(もしくは相殺)できる世の中になってきました。今は「マネできない技術を持つ」ではなく、「マネされても負けないビジネスを持つ」という状況になっていると思います。
今回はここまでにしておきます。
2004年11月18日: 起業のモチベーション
気が付いたら更新予定日から3週間も遅れていましたので、いくつかのトピックを連続で書いてみようと思います。
10月30日には、投資クラブFrontierさんに一橋大学の学園祭にお招きいただき、起業に関するパネルディスカッションに参加してきました。他にパネラーとして、ジャスダックの永野会長と松下電器のアントレプレナー・インターンシップ1期生である西村さんが参加されていました。Frontierの皆さん方は、イベントについて大変熱心に宣伝してくれたようで、当日は小雨が降る寒い日だったのですが、同系列のイベントで集客No.1だったそうです。
パネルディスカッションは司会者から質問を受ける形で進んだのですが、これまでに面と向かって「何故起業したのか?」とか、「収入はどれくらい?」といったストレートな質問を受けたことが無かったため、自分自身を振り返る意味でもなかなか興味深い内容でした。これまでこのコラムでも取り上げているとおり、金銭感覚は起業後に自分の中で特に大きく変わった部分です。
事前ブリーフィングで来社してもらった際にも同じ質問を受けていたので、今回はその時の情景を若干デフォルメして書いてみます。(以下、敬称略)
まあ、私も偉そうに言える立場ではありませんが・・・ (・_・;)
10月30日には、投資クラブFrontierさんに一橋大学の学園祭にお招きいただき、起業に関するパネルディスカッションに参加してきました。他にパネラーとして、ジャスダックの永野会長と松下電器のアントレプレナー・インターンシップ1期生である西村さんが参加されていました。Frontierの皆さん方は、イベントについて大変熱心に宣伝してくれたようで、当日は小雨が降る寒い日だったのですが、同系列のイベントで集客No.1だったそうです。
パネルディスカッションは司会者から質問を受ける形で進んだのですが、これまでに面と向かって「何故起業したのか?」とか、「収入はどれくらい?」といったストレートな質問を受けたことが無かったため、自分自身を振り返る意味でもなかなか興味深い内容でした。これまでこのコラムでも取り上げているとおり、金銭感覚は起業後に自分の中で特に大きく変わった部分です。
事前ブリーフィングで来社してもらった際にも同じ質問を受けていたので、今回はその時の情景を若干デフォルメして書いてみます。(以下、敬称略)
| 学生A | : | どうゆう人が起業に成功すると思いますか? |
| 私 | : | お金に興味が無いと上手く行かないと思うけど、お金だけが目的でも上手く行かないんじゃないかな。ウチでは会社として目指すところを『北極星』って言ってるんだけど、お金を超えたモチベーション=目的が無いと続かないと思うね、結構大変だし。 |
| 学生B | : | お金持ちになりたいとか思わないんですか? |
| 私 | : | もちろん会社を成功させて金持ちになりたいけど、単なる金目的だったらもっと他の方法もあるし、起業はその中でもリスクが高い部類じゃないかな。 |
| 学生C | : | 僕は起業に成功してお金持ちになりたいんですけど・・・ |
| 私 | : | それはとってもいい事だけど、じゃあどれくらいのお金があると成功なの? |
| 学生A | : | 2億円です。 |
| 学生B | : | じゃあ、200億(笑)! |
| 私 | : | 素晴らしい(笑)! |
| 学生C | : | 10億円ですかね。 |
| 学生D | : | 僕は5億円くらいです。 |
| 私 | : | みんな会社経営すると分かると思うけど、企業にとって2億円ってそれ程大きい金額じゃないんだよね。少し社員が増えてくると、スグ使っちゃう金額だね。ちょっと成功したオーナー経営者だと数億程度持ってる人はザラにいるし。例えば、IPOすると時価総額が大体100億円くらいは行くんだけど、オーナーがシェア20%でも持ってたら資産価値20億だよ。そうしたら、それで人生の目標を達成しちゃうけど、その後何を目標にして会社を経営するの? |
| 学生陣 | : | う~ん・・・・ |
| 私 | : | 私はまだ全然成功してないけど、自分の状況とか周りの人達を見てるとそれが分かるから、お金だけじゃ長期的な成功は達成されないんじゃないかと思うんだよね。 |
まあ、私も偉そうに言える立場ではありませんが・・・ (・_・;)
